新型コロナウイルスへの対策を強いられて        令和2(2020)年 5月 15日金

このたび、新型コロナウイルスのパンデミックによる非常事態宣言を受け、私たち兵庫県民は、自粛生活を余儀なくされている。

 しかし、経済的死という観点も需要であり、宣言解除の動きも起こりつつある。

 市橋眼科においても、N95を含むマスク、ゴーグルの着用、シールド(受付、診察機器)の設置、スタッフ、来院者すべての体温、体調のチェック、患者さんひとりひとりの診察前後の手指、機器、椅子などの消毒。次亜塩素酸水の噴霧。さらには、密をさけるための予約制(但し時間帯予約)の導入等々。

 これらのことは、新型コロナウイルスにより、各医療機関が多かれ少なかれ行っていることであろう。まだまだ、不十分なこともあるかもしれないが、ありがたいことに、患者さんは、受診を控えている方もおられるだろうが、まったく来られないわけではない。

 「コロナウイルス、有り難う」という動画をある方から送っていただいた。上記のことや、会議がなくなり、家でじっくりと出来なかったことができる様になったとか、家族がともに過ごす時間ができたとか等を思えば確かにそういう面はある。しかし、志村けんさんや岡江久美子さんなど、世界で20万以上の死者を出した今回の武漢発のパンデミック、素直にありがとうというわけにはいかない。ただただ、亡くなった皆様には心より哀悼の意を表したい。

 武漢で、はじめのころ、眼科医の李文亮さんが、緑内障の入院患者女性の肺炎がふつうの肺炎なくSARSに似た感染症であることを、医者仲間に警鐘を鳴らし、中国当局に睨まれ、挙句、感染症にかかり、ご家族の元に二度と帰ることがなかった、という事実。私は同じ眼科医として、李先生の勇断に敬服するとともに、先生の死をもって、眼科も無関係ではないことが伝えられたことを強く肝に銘じたい。

 一日も早く、兵庫のみならず、日本全国、世界のパンデミックの鎮静化を祈るのみである。何人もの有指揮者が、コロナ後の世界が変わるということを言っている。

 上記のウイルス対策で行ったことは、今後もしばらくは続けなくてはならないだろう。様々な業種で、今後経済活動を行うにせよ、同様なことが必要となるであろう。

 

 

お蔭様で開院17周年を迎えました。

平成30年2月1日、開院17周年を迎えました。今まで支えてきてくださったスタッフ、関係者、患者さんの皆さまには、深く感謝を申し上げます。天界の父母にはただただ感謝申し上げます。

ここ例年になかった強い寒波が、寒い冬がようやく過ぎて、春になりつつあります。

 そろそろ花粉症が出るころではありますが。

 「無花粉のたてやますぎを植ゑにけり患ふ人のなきを願ひて」と天皇陛下が元旦ご発表の御製に昨年の富山県での植樹祭のことをお詠みになられたことでも知られる、富山県が開発した優良無花粉の立山杉は「森の輝き」と命名されたそうです。早く日本中に植えられれば良いですね。

 日本の林業を担う人材は不足しているとのことですが、戦後にたくさん植林された杉は、立派に成長し、いま、木材として切り出すべき時期になっているそうです。耐震の木製の学校の建物などがお目見えしそうなこの頃です。

 先日、白内障手術を終えた患者さんから、阪神淡路大震災のときの貴重な映像や体験を語る映像記録を頂きました。

 悲しいけれども、大地震の後には、必ずと言って良い程、再び大地震が起こるといわれており、記録映像には、南海トラフ地震への警鐘がなされていました。日ごろの備えをしておき、防災の日くらいは、避難のイメージトレーニングなどしておく必要があると思います。

お陰様を持ちまして、開院16周年を迎えました。

 

 

お陰さまで、市橋眼科は開設十六周年を迎えました。患者さん、薬局や関係業者の皆様、私を支えて下さったスタッフに家族、今は亡き先代の母と父に深く感謝を申し上げます。写真は、患者さんやスタッフから頂いたお花です。ありがとうございました。

 

 

お正月から、真っ青に晴れた空をよく見かけます。朝、眼科に向かうとき、北へ延びる道路の先に、空とともに六甲山を仰ぐことができます。山はこれから新緑が芽生える準備で地味な色をしています。眼科の玄関には、ちょうど数輪の水仙の花が迎えてくれます。手入れも殆どしませんが、初夏、神輿が練り歩く頃には赤い薔薇も楽しませてくれます。

 

一年の計は元旦にありとよく言われますが、旧正月の二月初旬は、立志を問う伝統が日本にはあったと聞きます。お蔭様で今年還暦を迎える私は、医者である両親のもとに生を享け、母の眼科を継いで今日に至りましたが、地域のために、眼を病んだ人々のお役に立つためにどれ程のことが出来ているのか毎日が問われている、そんな思いです。

 

先日、前文科大臣の下村博文氏の講演を聴く機会がありました、昨今、AI(人工知能)の知能が人間の知性を越えるのがフューチャーリストのレイ・カーツワイルにより二〇四五年と予測されており、そのころにはなくなるといわれる職業や残る職業、ナノ医療による不老や病気の克服、コンピューターと脳がつながり、脳のデジタル化などが予測されています。またAIがさらにAIをつくるような時代が来るというのです。技術的特異点(シンギュラリティ)とかいわれ、教育の在り方、おそらく社会すべての対応が問われている、そういう時代がくるというのです。

 

前記のことは科学万能の考えからすると、あり得る話かも知れませんが、私自身は、東洋医学などによって、人間を全体としてみるというアプローチを進めれば進めるほど、人と人との触れ合い、感性、哲学、直感的把握など、人間でなければ出来ないことがまだまだたくさんある様に思えてなりません。

 

ところで、眼科医師としては引き続き、眼と食事の関係、眼と全身の関係、眼と歯の関係、眼と首や肩との関係等々、様々な疾患の背景にあると考えられるところが未開であり、興味が尽きません。特に眼の血流は細かいです。

 

血流には整形外科の兄のクリニックでも様々なことがなされているようですが、眼科的にもまだまだ研究途上の分野であります。

 

さて、当眼科では昨年来、最新のOCT(光干渉断層計)を導入して、眼球の断層像だけでなく、毛細血管もよく観察出来る様になり、今後の活用が期待されます。

 

二月一日は母の命日でもあり、母に倣って、今年も小菓をご用意しました。母の大好きだったチョコレートになりました。ご笑納下さいませ。

 

   真っ青な大空のごと人々の病もこころも晴れてゆきませ

 

   時も人も変はり行きても人の幸想ふまごころ変はらざりけり

 

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眼と太陽光と紫色の光

 ハロルド・ペパード博士の「特訓版 眼がどんどんよくなる」の中には、眼の日光浴をして、リラックス、太陽の恵みやエネルギーを眼にという項目がある。

 

 ペパード博士の「眼の日光浴」のやり方は、太陽に向かって、眼を閉じて、首をゆっくり左右に動かして、5分くらい日光浴をして、時折瞬間的に眼をあける(ただし太陽は絶対に直視しない)というものである。

 

 私もやってみたら、確かに気持ちがよいし、リラックス効果があるように思われました。しかし結構5分というのは、長く、直射日光も結構あつく感じたので、温罨法の効果もあり、太陽の自然光に癒されている様にも思われました。

 

 そういうことを1月中旬頃、朝礼で職員に話したら、慶応大の坪田一男教授が、バイオレット光(紫色)をひよこの眼に当てると、近視進行を押さえる遺伝子の数値が上昇していることを発見したというニュースを教えてくれました。

 

 下記にハザードマップというHPに掲載された記事を引用する。 http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/1/8/18479.html

 

  バイオレット光は、人の目で見える可視光線の中でも波長が 

 短い360−400ナノメートル(nm)の紫色の光で、屋内にはほと 

 んど存在しない。

 

  研究グループは、コンタクトレンズを使っている13〜18歳ま

 での中高生を対象に、コンタクトレンズのバイオレット光透過

 率と近視の進行具合を比較したところ、バイオレット光を透過

 するレンズを装着した116人は、透過しないレンズを使ってい

 る31人より、眼軸の伸び(近視の進行)が少ないことを突き止 

 めた。

 

  坪田教授は「LEDや蛍光灯などの照明にはバイオレット光が

 含まれておらず、メガネやガラスもUVカット機能に加えて、バ

 イオレット光をほとんど通さない材質が使われている。現代の

 暮らしが、近視の世界的な増大に結びついている可能性があ

 る」と指摘。今回の発見が近視人口の増加に歯止めをかける治

 療薬につながるものとして期待を寄せている。

 

  なおこの研究成果は、科学誌「EbioMedicine」電子版に掲載さ

 れた。

  

 私は、実は以前から、紫外線や低波長の光は有害な面もあるけれど、紫外線は殺菌効果もあるし、低波長の青色光は体内時計をコントロールするのに昼間は必要な面もあるので、うまくつきあう様な形をとれないものかと思っていました。

 

 近視の進行については、最近はもっぱら、網膜周辺のボケ像が近視の進行に関与しているとの仮説が、幅を利かせています。オルソケラトロジーなども、同仮説で説明されている様ですし、子供に遠近両用眼鏡等が処方されたり、以前から様々な説があり、まだまだ、わかっていない所のようです。

 

 以前からあるような、眼の日光浴の話から、その関連の重要な情報に出くわしたと思いました。

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京都の第70回日本臨床眼科学会に行って来ました。

 去る11月3日~6日、京都で第70回日本臨床眼科学会が開催されました。

 

 毎年、この学会には必ず行く様にしています。今年も、患者さんたちには申し訳ないけれど、しっかり診療所を締めて参加してきました。

 

 11月4日が立冬という暦だが、まだ紅葉がちらほらという感じの京都。

 

 最近はインストラクションコースという、いわば、技術や知識を学ぶ講習といったものが用意されているが、私は、討論などがよく行われる、一般講演と、モーニング、ランチョンセミナーに出席。あとは学術展示を見て回りました。

 

 神経眼科セッションでは、当科でもよく見る交通外傷を扱う演題。脳脊髄液減少症に点滴で症状改善したという症例の調節機能を調べた演題がありました。

 

 また、OCT angiography 関連の演題も多く、臨床応用に有用な検査法としての進展がみられた様でした。

 

 興味深かったのは、ランチョンセミナーで聞いたoptosという超広角眼底観察装置の開発秘話。

 

 技術者でもなく、資本家でもない、optos社の Douglous Anderson 氏の同器械の開発は、若い頃のケープタウン(だった様に思うが、南米最南端かもしれない)までの遠洋航海、登頂という冒険の体験をもとに、網膜剥離を発症した小さな息子さんのために、開発した器械だそうです。ふつうの眼底カメラは画角そこそこ45度位だが、optosは200度と桁外れに広いのです。よくこんな機種を生み出したものだとつくづく感心しました。一度撮影するだけで、ほぼ眼底周辺までの写真が得られるのです。

 

 しかし、かなり高価であり、簡単には購入できません。

 

 そんな器械であるが、今や、世界中に出回っているそうです。

 

 他は、学術展示などでも興味深い症例や報告がいくつもありました。そんなこんなで、京都を後にしました。

 

 

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天高く馬肥ゆる秋となりました。

 私たちに多大な勇気と感動を与えてくれたリオ・オリンピックも終わり、パラリンピックが始まりました。私事ですが、最近、遅まきながら、万歩計を買いました。

 

 「新・平成の伊能忠敬」という万歩計です。こんなものでもないと、モチベーションが上がらない?のか、根がナマケモノなのか、歩くことが少しでも楽しめるようにと思ったのです。

 

 実際、自分の歩数をみたときに、よっぽど患者さんよりも歩いていないことが、判明しました。外にでなければ、ほぼ2000から3000と圧倒的に少ない。伊能忠敬先生から、「ドリョクセヨ」との言葉しかいただけません。ちょっと外を歩けば、まったく違います。体の調子だって変わります。 

 

 そして、ウオーキングについての本もいくつか購入してみました。結構知らないことがいろいろとかいてありました。

 

 朝早くウオーキングしない方が良いとか、歩数ではなく、歩く速さや、インターバル的に歩くことの効能や、そういえば街をあるけば、速足で歩いている人がいたことを思い出します。

 

 足は第2の心臓といわれますが、私たちの眼の血管の細さを考えると、やはり歩くことで、循環を良くすることが必須ですね。歩けるうちは、どんどん歩きましょうね。歩けなくなっても、動かせるところを動かせば、とくに横隔膜や、口や、舌などはその意味では、非常に大切ですよね。

 

 最近は、腹式呼吸や、アイウベ体操、眼の開閉運動などを、患者さんに盛んに薦める様になりました。眼のような血管の細い臓器は循環をしっかり、良くすべきであります。みなやはり運動しなさすぎのように思います。そう思っていると、時々、しっかり運動しておられる患者さんもおられ、逆刺激を受け、敬服することもあります。

 

 みなさん、歩ける方は街に出ましょう。そして歩けない方は、動かせるところを動かしましょう。体をうごかせば必ず軽くなります。

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玄関の赤い薔薇が咲きました。

 開院当初、先代(母)の時からの植物好きの職員が、どこからか、赤い薔薇を持ってきてくれました。

 

 それから、15年近く、毎年咲き続けています。患者さんも、ご自信の体調が良くなれば、玄関の薔薇の花にも気づいてくれます。

 

 玄関の箱庭があまり大きくないので、いくつもの種類は植えられませんが、この時期は楽しませてくれます。

 

 母の日が近いので、カーネーションの変わりにすこし摘ませてもらって使うこともしばしばです。

 

 HPで花言葉を見てみたら、同じ赤色でもいろいろあることを知りました。

 

 緋色は「灼熱の恋」、真紅は「恥ずかしさや内気」、紅色は「死ぬほど恋いこがれる」、帯紅色は「私を射止めて」、黒赤色は「永遠の愛」、赤い蕾は「純血、あなたに尽くします」。

 

 これらの、花言葉、書いているだけでも、胸がドキドキしてしまいそうになりますが、愛の様々な形を微妙な色の違いでこれほど花言葉に幅があるのかと、感心してしまいました。当時花を植えてくれた職員にもそのような意図があったとはとても思えませんし。

 

 当院の薔薇はこの微妙な色のどの色なのか、ごくありふれた赤い薔薇のようですが・・・。

 

 さらに、花が咲いていないときにも、葉や茎にも花言葉(葉言葉?茎言葉?)があることも知りました。

 

 赤い薔薇の葉は「あなたの幸福を祈る」、茎は「あきらめないで」「頑張って」「あなたは希望を持ち帰る」だそうであります。

 

 当院の開設者である私もスタッフも患者さんの皆様に、恋いこがれられる眼科になるように、また、私たちが、患者さんの皆様に尽くしますという風になれるよう、研鑽、努力を積み重ねられる様、がんばりたいものです。

 

 そして、お帰りになる際には、薔薇の葉や茎とともに、皆様のご健康、希望に満ちた姿を祈念できれば幸いです。