京都の第70回日本臨床眼科学会に行って来ました。

 去る11月3日~6日、京都で第70回日本臨床眼科学会が開催されました。

 

 毎年、この学会には必ず行く様にしています。今年も、患者さんたちには申し訳ないけれど、しっかり診療所を締めて参加してきました。

 

 11月4日が立冬という暦だが、まだ紅葉がちらほらという感じの京都。

 

 最近はインストラクションコースという、いわば、技術や知識を学ぶ講習といったものが用意されているが、私は、討論などがよく行われる、一般講演と、モーニング、ランチョンセミナーに出席。あとは学術展示を見て回りました。

 

 神経眼科セッションでは、当科でもよく見る交通外傷を扱う演題。脳脊髄液減少症に点滴で症状改善したという症例の調節機能を調べた演題がありました。

 

 また、OCT angiography 関連の演題も多く、臨床応用に有用な検査法としての進展がみられた様でした。

 

 興味深かったのは、ランチョンセミナーで聞いたoptosという超広角眼底観察装置の開発秘話。

 

 技術者でもなく、資本家でもない、optos社の Douglous Anderson 氏の同器械の開発は、若い頃のケープタウン(だった様に思うが、南米最南端かもしれない)までの遠洋航海、登頂という冒険の体験をもとに、網膜剥離を発症した小さな息子さんのために、開発した器械だそうです。ふつうの眼底カメラは画角そこそこ45度位だが、optosは200度と桁外れに広いのです。よくこんな機種を生み出したものだとつくづく感心しました。一度撮影するだけで、ほぼ眼底周辺までの写真が得られるのです。

 

 しかし、かなり高価であり、簡単には購入できません。

 

 そんな器械であるが、今や、世界中に出回っているそうです。

 

 他は、学術展示などでも興味深い症例や報告がいくつもありました。そんなこんなで、京都を後にしました。