新型コロナウイルスへの対策を強いられて

新型コロナウイルスへの対策を強いられて

 このたび、新型コロナウイルスのパンデミックによる非常事態宣言を受け、私たち兵庫県民は、自粛生活を余儀なくされている。

 しかし、経済的死という観点も需要であり、宣言解除の動きも起こりつつある。

 市橋眼科においても、N95を含むマスク、ゴーグルの着用、シールド(受付、診察機器)の設置、スタッフ、来院者すべての体温、体調のチェック、患者さんひとりひとりの診察前後の手指、機器、椅子などの消毒。次亜塩素酸水の噴霧。さらには、密をさけるための予約制(但し時間帯予約)の導入等々。

 これらのことは、新型コロナウイルスにより、各医療機関が多かれ少なかれ行っていることであろう。まだまだ、不十分なこともあるかもしれないが、ありがたいことに、患者さんは、受診を控えている方もおられるだろうが、まったく来られないわけではない。

 「コロナウイルス、有り難う」という動画をある方から送っていただいた。上記のことや、会議がなくなり、家でじっくりと出来なかったことができる様になったとか、家族がともに過ごす時間ができたとか等を思えば確かにそういう面はある。しかし、志村けんさんや岡江久美子さんなど、世界で20万以上の死者を出した今回の武漢発のパンデミック、素直にありがとうというわけにはいかない。ただただ、亡くなった皆様には心より哀悼の意を表したい。

 武漢で、はじめのころ、眼科医の李文亮さんが、緑内障の入院患者女性の肺炎がふつうの肺炎なくSARSに似た感染症であることを、医者仲間に警鐘を鳴らし、中国当局に睨まれ、挙句、感染症にかかり、ご家族の元に二度と帰ることがなかった、という事実。私は同じ眼科医として、李先生の勇断に敬服するとともに、先生の死をもって、眼科も無関係ではないことが伝えられたことを強く肝に銘じたい。

 一日も早く、兵庫のみならず、日本全国、世界のパンデミックの鎮静化を祈るのみである。何人もの有指揮者が、コロナ後の世界が変わるということを言っている。

 上記のウイルス対策で行ったことは、今後もしばらくは続けなくてはならないだろう。様々な業種で、今後経済活動を行うにせよ、同様なことが必要となるであろう。