無花粉杉考ー花粉にも良い働きがある?

無花粉杉考

 前回、無花粉杉のことに触れたが、その後、ネット検索をすると、さらに、分かったことが・・・。

 もともと、ある神社で、花粉の無い杉があったことが、その発見につながり、研究が始まったそうである。

 いま、富山県は大量生産で、年に5000本の苗を生産しているそうである。林業用としても十分利用可能な杉であるらしい。これが、無花粉のスギが多くを占めたとして、生態系に影響はないのだろうかという事を危惧する意見もあるらしい。生態系などは、たしかに、その規模や影響など、短期間では計り知れない事がある。

 人間の都合で、生態系に影響を及ぼすことは、確かにいかなることであろうか。そのあたり、生態系の専門家はどう考えているのであろうか。更に調べてみたい。

 国立博物館企画展「花紛と花粉の科学」で、花粉には栄養があり、蜂蜜には、花粉が含まれているという事が書かれていた。10gに5万個の花粉があるそうな。虫などの食料としては、重要なものかもしれない。

 花粉の形態も、興味深く、ブタクサなどは、なんかとんがったものが多く、いかにも悪そうなイメージがある。

 古事記に描かれいている、あの「因幡の白兎」のウサギがワニ(サメ)をだまして、毛皮をはがされたところ、大国主の命が蒲(がま)の花粉を用いてウサギを助けたお話し。蒲の花粉は生薬名を「蒲黄」というらしく、長期服用すれば身を軽くし、気力を充実させ長寿を得させる働きがあると「本草綱目」に出ていると紹介されていた。

 そんなことを見ていると、虫たちにとっては、無花粉杉だらけになると、生存が危ぶまれるという事であろうか。やはり人間中心ですべての物事を考えると、生態系を破壊させ、ゆくゆくはそのツケが回ってくることも考えなければならないのか。やはり、専門家がどのように見ているかをますます知りたくなってきた。