第33回「眼科と東洋医学」研究会(東京)に出席、症例報告をさせて頂きました。

去る3月13日、東京、浅草の台東区民会館で開催された、第33回「眼科と東洋医学」研究会に出席、症例報告をさせて頂きました。

 

 この「眼科と東洋医学」は、和歌山の山本昇吾先生、札幌の竹田眞先生、神戸の故酒谷信一先生などが中心となり、現在まで開催され続けてきた、伝統ある眼科の漢方研究会であります。

 

 縁あって、私も浅学非才ながら、第20回頃から参加させて頂いております。出来るだけ、毎回演題を出させて頂いております。

 

 今年は、「愁訴を有した正常眼圧緑内障例への漢方薬の使用経験」と題して、症例報告をさせて頂きました。昨年、和歌山の山本昇吾先生が、30年の長期観察された、原発開放隅角緑内障の3例を日本東洋医学会誌に報告されています。また、福山の黒木悟先生も10年以上観察された正常眼圧緑内障例を報告されています。

 

 今回私が報告した症例は、漢方薬(本例は当帰芍薬散)で眼痛や首の凝りが改善した例で、2年の短期間の観察ではありましたが、この2年の観察中でも、様々な事があり、今後の視機能の保持にも、更に工夫が必要と考えさせられた症例でした。自分として短い期間の観察であるものの、報告して意味があった様に思っています。

 

 田中眼科の田中まち子先生のご報告は、開放隅角緑内障に五苓散を処方して、高かった眼圧が正常化して、ダイアモックス等の内服眼圧下降剤が不要となっという症例でした。正直驚きました。症例により眼圧が正常化する漢方が存在することを知り、元気づけられました。上記の山本先生も書かれていますが、眼圧の下がる特定の漢方薬があるわけではなく、症例に漢方を合わせていくことが必要である(随証治療)とのことです。

 

 症例報告を行うと、考えもしなかったことが見えてきたり、様々なアイデアが見えてきたりして、とても勉強になります。

 臨床やその他、さまざまな事で時間が忙殺されますが、今後も、果敢に報告していければと思います。

 

 ところで、今回、研究会終了後、参加者の先生方と浅草寺の辺りをすこし歩きました。実は、初めて訪れました。いつもテレビで映る、雷門。浅草寺には大勢の観光客が訪れていました。スカイツリーもこんなに浅草に近くに有るとは知りませんでした。

 

 また、今回、症例報告のスライドには、国際緑内障週間のグリーンライトアップの写真(大阪、通天閣)を載せさせて頂きました。札幌、東京、名古屋、大阪と各地でなされていました。高齢社会に多くみられる緑内障の治療研究、開発が少しでも進むことを祈って筆を置きます。